「もっと睡眠時間を短くして、自分の時間を増やせたら」と、僕はよく思います。遺伝的な影響でそもそもショートスリーパーにはなれない可能性が高いのですが、活動時間を増やしたいのでささやかながら、この場で抗ってみます。
ここでは、ショートスリーパーの定義から、遺伝と訓練の可能性、成功事例や専門家の見解までを総合的に解説し、自分に合った睡眠スタイルの見つけ方も紹介します。
そもそもショートスリーパーとは何か?
ショートスリーパーという言葉が実際にどのような人を示すのかは曖昧という方も多いのではないでしょうか。短い睡眠でも元気に活動できるのは一部の特異体質なのか、それとも鍛えれば誰でもなれるのか。まずは、一般的な睡眠との違いについて整理していきましょう。
一般的な定義と平均的な睡眠時間
ショートスリーパーとは、1日あたりの睡眠時間が6時間未満でも、日常生活に支障をきたさず健康を維持できる人のことを指します。多くの人は7〜8時間程度の睡眠を必要としますが、ショートスリーパーと呼ばれる人たちはそれよりも短い睡眠でもパフォーマンスが落ちることがなく、目覚めも自然です。
厚生労働省による「国民健康・栄養調査」では、日本人の平均睡眠時間は約6〜7時間とされていますが、中には6時間を下回っても日中に眠気を感じない層が存在すると報告されています。このような人たちが、一般的にショートスリーパーとされています。
ロングスリーパー・ショートスリーパー・バリアブルの違い
人の睡眠タイプは「ショートスリーパー」「ロングスリーパー」「バリアブルスリーパー」の3つに分類され、それぞれに必要な睡眠時間が異なります。個人の睡眠の最適時間には遺伝的な要因や生活習慣、体内時計(サーカディアンリズム)が深く関わっており、それぞれのタイプに適した休息のとり方があります。睡眠医学の観点から、以下のように分類されています。
ショートスリーパー
6時間未満の睡眠でも日常生活に支障が出ないタイプ
ロングスリーパー
9時間以上の睡眠が必要で、睡眠不足になると体調を崩しやすいタイプ
バリアブルスリーパー
約6〜9時間の幅で柔軟に対応できる中間タイプで、最も多いとされる層
ショートスリーパーになることはできるのか?
ネット検索すると、遺伝による体質で決まるものなので不可能とされています。ですが、僕個人は可能性を探求したいのでショートスリーパーになれるかどうかを深掘りします。ここでは、可能な人と不可能な人の違い、遺伝と訓練という2つの視点からお伝えします。
遺伝的素因 vs 訓練の可能性
ショートスリーパーは遺伝的な体質によるもので、訓練だけでなれる人はごく限られています。短時間の睡眠で健康や集中力を維持できる人は、特殊な体質を持っているケースがほとんどです。訓練によってある程度睡眠を短縮することは可能ですが、完全にショートスリーパーになるのは難しいとされています。
睡眠専門医の中村真樹氏(青山・表参道睡眠ストレスクリニック)は「ショートスリーパーは後天的に獲得できるものではなく、生まれつきの特性」と述べています。一方、日本ショートスリーパー育成協会は、訓練でショートスリーパーになれるという立場をとっています。ただしこの主張には異論もあり、一般的な医学的根拠とは異なる立場です。
専門家の見解と研究結果
医療や睡眠の専門家の多くは、ショートスリーパーはごくまれな遺伝的特性であり、意識的な努力やトレーニングで誰もがなれるものではないとしています。過去の研究や統計を見ても、ショートスリーパーは極めて少数派であり、無理に睡眠時間を減らすことで体調を崩すリスクが高まると警告されています。
カリフォルニア大学の研究では、ショートスリーパーの割合は10万人に4人程度とされており、非常に希少です。先ほどの睡眠専門医の中村医師も「多くの人がショートスリーパーになりたいと願っても、その多くは無理をして体調を崩してしまう」と警鐘を鳴らしています。
専門的な観点からすると、ショートスリーパーになるのは諦めた方が良い、そんな流れですね。けれど、諦めたくない可能性なので続きます。
訓練でショートスリーパーを目指す方法
ショートスリーパーになることをどのように実現するのか、その方法は意外と知られていないようです。ここでは、実際に短時間睡眠を目指す際に役立つ訓練法や生活習慣の整え方をお伝えします。
睡眠時間の段階的短縮法
少しずつ睡眠時間を短縮していくことで、体に無理をかけずに短時間睡眠へと近づけます。急に睡眠時間を大きく削ると、集中力の低下や体調不良を招くかもなので慣らしながら調整していきます。
一般的には、成人はおおよそ6時間以上の睡眠が推奨されており、徐々に減らすことで生体リズムの崩れを防ぐことができるとされています。
睡眠の質を上げるために起床時間の固定とルーティンを徹底
睡眠時間を減らす分、質を上げましょうというくだりになります。まずは、起床時間の固定と、寝る前のスマホ操作などを控えるといった生活習慣の改善が、睡眠の質を高める方法として推奨されています。
さらに、毎朝同じ時間に起きることを習慣づけると、体内時計が整って自然と眠りの質が良くなります。就寝時間よりも起床時間を優先的に固定することで、生活のリズムが安定し、夜も自然と眠くなるようになります。入眠しやすい環境を作るナイトルーティンも効果的です。睡眠の質を向上させるというテーマでこちらが参考になるかもです。

短時間睡眠の補完としての仮眠活用法
昼間の短い仮眠を上手に取り入れると、睡眠不足を補いつつ、パフォーマンスの維持に役立ちます。特に午後の早い時間帯に10〜30分程度の仮眠をとると、集中力が戻り、眠気もスッキリします。夜の睡眠に干渉しないための時間帯選びがポイントです。
厚生労働省のガイドラインでは、午後の早い時間に30分以内の仮眠を推奨しており、適度な昼寝は健康維持にも効果的だとしています。昼寝に関してはこちらの記事で深掘りしています。

食生活・運動・ストレス管理の重要性
バランスの良い食事、適度な運動、ストレスをためない生活は、良質な睡眠を支える基盤になります。睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌や体内時計の働きは、日常の習慣によって大きく左右されます。
規則正しい生活は、短時間でも深く眠れる体をつくるために不可欠です。健康的な睡眠は、食事・運動・ストレスケアが基本とされています。
まとめ:訓練でショートスリーパーを目指す方法
① 毎日の睡眠時間を少しづつ減らし、体を慣らしていく
② 睡眠時間を減らす分、睡眠の質を向上させる
具体的には、
・寝る直前はスマホを触らない
・起床時間を固定する
・30分以下の昼寝をする
③ 良い睡眠の基本は、バランス良い食事、適度な運動、ストレスケア
僕は早速、試してみます。こういったことは面白そうですし、楽しめる時間が増えるのは幸福感も増しそうな感じです。
ショートスリーパーに向いている人の特徴
実は、短時間睡眠に向いている人には共通した特徴があります。ここでは、自己評価できるチェックリストや、日中の眠気や集中力といった指標から、あなたがショートスリーパー体質かどうかを見極めることができるかもなことをお伝えします。
自己評価チェックリスト
ショートスリーパーと呼ばれる人たちは、少ない睡眠時間でも活動的に過ごせる体質や習慣を持っています。こうした傾向は、日々の生活から見えてきます。以下のような項目に多く当てはまる人は、ショートスリーパーに向いている可能性が高いです。
① 6時間未満の睡眠でも日中に眠気を感じない
② 毎日ほぼ同じ時間に寝起きしている
③ 朝食を欠かさずとっている
④ 寝つきがよく、夜中に目覚めることが少ない
⑤ 起床後すぐに頭が冴えて行動できる
日中の眠気や集中力の指標
日中にどれだけ眠気を感じず集中力を保てているかは、ショートスリーパー適性を見極める大きなポイントになりますので、短い睡眠時間でも日中のパフォーマンスが落ちない人は、身体がその生活に適応していると考えられます。
ショートスリーパーは6時間以下の睡眠でも、日中に眠くならず、高い集中力を維持できるとされていると同時に、日中の眠気や注意力の低下は、睡眠の質・量が足りていないサインとされています。
成功例に学ぶショートスリーパーの実態
歴史に名を残す偉人から、現代で実践する人まで、ショートスリーパーとして成果を上げている例は実際に存在します。ここでは、ナポレオンやエジソンのような歴史的人物の睡眠スタイル、そして現代のショートスリーパーがどんな日常を送っているのかを見ていきましょう。
ナポレオンやエジソンの睡眠スタイル
ナポレオンやエジソンは、夜間の睡眠を最小限に抑えつつ、日中の仮眠をうまく取り入れることで、創造性や判断力を維持していました。彼らは一般的な睡眠時間には頼らず、短い睡眠を数回に分けて取り入れることで、脳を効率的にリフレッシュしていたと言われています。
ナポレオンは3〜4時間の夜間睡眠に加え、日中に仮眠を取っていたという記録が残っています。また、エジソンは睡眠を無駄な時間ととらえており、1日に複数回の短い仮眠でやりくりしていたとの証言があります。
現代の実践者の生活パターン
現代のショートスリーパーも、ただ睡眠を減らしているわけではなく、睡眠の質や生活全体のバランスを徹底的に調整しています。短眠生活を持続させるためには、食事・運動・仮眠・活動時間の管理など、日々のライフスタイル全体に工夫が必要です。
ある実践者は、朝3時に起床し、仕事・運動・家族時間を織り交ぜながら、深夜までアクティブに動いています。そのような生活を継続するためにも、食生活の調整やメンタル管理、睡眠の質を上げるトレーニングを取り入れています。
自分に合った睡眠スタイルを見極める
睡眠は体調や生活習慣と密接に関わるものでもあるので、無理に短眠を目指すべきでない理由と、自分にとって最適な睡眠スタイルを見つける方法についてお伝えします。
ショートスリーパーを無理に目指さない方が良い理由
ショートスリーパーはごく一部の人に限られる特異な体質であり、大多数の人にとって活動時間を増やしたいがために、必要な睡眠時間を削るのは好ましい行為とは言い難いです。
成人の推奨睡眠時間は6時間以上とされていますが、これを下回ると生活習慣病やメンタル面での影響が懸念されています。また、慶應義塾大学の研究でも、慢性的な睡眠不足は記憶力や判断力の低下、うつ病のリスクを上昇させるとされています。
体調とパフォーマンスから最適解を探る方法
理想の睡眠スタイルは、自分自身の体調や日中のパフォーマンスを基準に見つけるのが一番です。人それぞれ体質や生活リズムが違うので、一律の正解は存在しないことになります。重要なのは、自分の身体がどれだけの睡眠で一番調子よく動けるかを知ることです。厚労省も「睡眠時間ではなく、起きたときの気分や日中の眠気の有無を指標にすべき」と述べています。
最適な睡眠スタイルを探る方法例
・毎日の起床後の気分を記録してみる
・日中の眠気や集中力の変化に注目する
・食事、運動、就寝前の習慣を整えてみる
・睡眠アプリや診断ツールを活用して客観的に確認する
まとめ:ショートスリーパーになるには
・ショートスリーパーとは、6時間未満の睡眠でも健康や集中力に支障が出ない特異な体質を持つ人を指しますが、非常に希少な存在です。
・ショートスリーパーになるには遺伝的要因が大きく関与しており、訓練でなれる人はごく一部であると多くの専門家が指摘しています。
・睡眠時間を減らす場合は、段階的な短縮や起床時間の固定、質の高い睡眠ルーティンなどの生活管理が必要です。
・昼寝の活用やバランスの取れた食事、運動、ストレスケアなどが、短時間睡眠を支える生活習慣として重要度が高いとされています。
・自分に最適な睡眠スタイルは日中の眠気や体調を基準に見極めるべきで、無理な短眠は健康面での影響が懸念されます。