2025年6月24日から、iPhone版マイナンバーカードがスタートします。iPhoneにカード機能を取り込むことで、これまで必要だったプラスチックカードの持ち歩きが不要になり、行政手続きや本人確認が、スマホひとつで完結できるようになります。この記事はデジタル庁公式サイトの内容を元にお届けします。（出典：マイナンバーカードをあなたのiPhoneの中に）
iPhone版マイナンバーカードの利用条件
iPhone版の仕組みは、Apple Walletにカード情報が安全に保存され、Face IDやTouch IDによる認証が利用できる仕組みになっているので、現状Face IDかTouch IDに対応している機種のみ使うことができます。本人確認を安全かつスムーズに行うために、生体認証が大前提となっています。また利用開始可能条件をまとめると、
iPhone側
・Face IDまたはTouch IDに対応しているiPhone（おおよそiPhone 8以降）
・最新バージョンのiOSがインストールされていること
・Apple Walletが使える状態であること
・マイナポータルアプリの導入が必要
マイナ側
・有効な実物のマイナンバーカード
・券面入力用暗証番号（数字4桁）
・署名用電子証明書パスワード（英数字6～16文字）
なお、暗証番号と署名用電子証明書パスワードについては、カード交付時にご自分で設定されているので、忘れてしまった場合は市区町村の窓口で再設定する必要があります。
iPhone版マイナンバーカードの登録手順
マイナポータルアプリからiPhone版マイナンバーカードを登録します。アプリを通して本人確認を済ませることで、マイナンバーカードの情報をiPhoneのApple Walletに追加することができます。
登録の手順
① App Storeで『マイナポータル』アプリをインストール
② アプリ内の案内に従ってカード実物のマイナンバーカードを読み取る
③ 暗証番号を入力して認証
④ Apple Walletにカード情報を追加
⑤ Face IDまたはTouch IDを設定する
iPhone版マイナンバーカードのメリット
ここでは、iPhoneにマイナンバーカードの機能を取り込むことで、何ができるようになるのか？をお伝えします。一言で伝えるなら、マイナンバーカードいらずでiPhoneのみで完結できるです。
カードリーダー不要でマイナポータルにログインできる
Apple Walletに保存されたマイナンバーカードの情報を、Face IDやTouch IDで即座に認証できる仕組みにより、カードリーダーを使った読み取り作業が不要になります。結果カードリーダー不要でスムーズにログインが可能になります。改めて、マイナポータルでできることをまとめると、
・医療費や薬剤情報の確認
・年金の記録のチェック
・引越し関連の行政手続き
・子育て支援や家族の情報の確認
証明書のコンビニ交付もiPhoneだけで可能
プラスチックのカードの代替なので、住民票などの証明書も、iPhoneがあればコンビニで手軽に取得できます。もちろん、大手コンビニのマルチコピー機が、iPhoneに搭載されたマイナンバーカードの認証に対応してくれます。改めて、コンビニでの証明書などの交付をまとめると、
・住民票の写し
・印鑑登録証明書
・戸籍謄本など（対応している自治体のみ）
ただし、現時点2025年6月上旬の段階ではサービス開始に向けた準備が進んでいる現在進行形の状態なので、順次利用可能になる予定です。
健康保険証としての利用（2025年秋予定）
2025年秋からは、iPhone版マイナンバーカードが健康保険証としても使えるようになる予定で、厚生労働省が7月から実証実験をスタートし、2025年9月ごろから一部の医療機関での運用を開始する計画を立てています。また、各病院での対応準備も進んでいます。
セキュリティは大丈夫？プライバシー保護の仕組み
マイナンバーカードをiPhoneに入れて大丈夫？と、気になるのはセキュリティやプライバシー面になると思います。ここまでで軽く触れてますが、ここでは安心して使うために知っておきたい保護の仕組みをご紹介します。結論だけを先に伝えてしまうと、Appleの堅牢な技術と政府の厳格な運用ルールによって、安全性はかなり高く保たれています。
生体認証とAppleセキュリティ基盤
iPhone版マイナンバーカードは、Face IDやTouch IDによる生体認証と、Appleの高度なセキュリティ機能によって守られ、他人に勝手に使われる心配はほとんど無いと言えます。マイナの利用には必ず生体認証が必要であり、生体認証はApple Payと同レベルであることが理由です。
・利用時にはFace IDまたはTouch IDで本人確認
・生体情報はiPhone内の「Secure Enclave」に保存され、外部に送られることはゼロ
・政府やアプリ運営側も、生体情報にアクセスできない構造になっている
データは端末内で安全管理
iPhoneに登録されたマイナンバーカードの情報は全て端末内で管理されるので、クラウドや外部サーバーにアップロードされることは無いです。これが実現できているのは、Appleのデータ管理ポリシーと、日本政府の厳格な設計ルールによるものです。
・カード情報はApple Wallet内で暗号化され、端末外に出ることはない
・使用されるのは、氏名や生年月日など最低限の情報だけ
【Q＆A】 iPhone版マイナに関するよくある質問3選
ここでは、公式情報をもとに、特に疑問に思われる方が多いと思われる3選をご紹介します。
iPhoneを失くした場合はどうする？
iPhoneを失くした場合も、マイナ総合フリーダイヤルや『探す』機能で即時利用停止が可能です。マイナンバー総合フリーダイヤルは24時間受付、またAppleの「探す」アプリからiPhoneの操作停止やデータの遠隔削除が可能です。
後者の「探す」アプリは、他のデバイスやウェブブラウザからでも使用可能で、例えばiPadやMacなど別のApple製品の「探す」アプリから対象のiPhoneを操作でき、またPCや他人のスマホから iCloud.com にアクセスして、Apple IDでログインすれば「探す」機能が使えます。
Androidでは使えないの？
今のところiPhoneのみが正式対応で、Androidへの対応も検討中とのことです。現時点では具体的な開始時期は発表されていません。というのも、Appleとのセキュリティ連携が先行して進んでいたためです。
Android端末においては、まだ一部の機能（例：属性証明）が未対応で、技術的な調整が続けられています。今すぐ使いたい場合はiPhoneが必要ですが、将来的にはAndroidにも対応が拡大する可能性が大いにあります。
マイナンバーそのものや医療情報はiPhoneに保存されますか？
マイナンバーそのものや医療情報、銀行口座情報などはiPhoneには保存され無いです。iPhoneに保存されるのは、本人確認に必要な最低限の情報だけです。プライバシーと安全性を確保するための設計方針に基づいています。iPhoneを失くしたとしても生体認証が必要なので、第三者に個人情報が漏れることのないように配慮されています。
保存される情報
・氏名、生年月日などの基本情報
・暗号化された電子証明書（本人確認用）
保存されない情報
・マイナンバーの番号自体
・医療履歴や銀行口座情報などの個人データ
こうした設計によって、利用者のプライバシーがしっかり守られる仕組みになっています。
